食塩水の問題(連立方程式の応用)

●問題
「濃度が3%の食塩水と8%の食塩水を混ぜて、6%の食塩水を600グラム作りたい。それぞれ何グラムずつ混ぜればよいか求めよ。」

この問題は1次方程式でも解けますが、普通は連立方程式で解くことが多いようです。
パーセントの問題は苦手な人が多いようですね。
確かに簡単ではないかも知れませんが、はじめから諦めてしまうほどではありません。

■重要
数式は以下のルールに従って書いています。
分数・・・2分の1 → 1/2、5分の3掛けるx → (3/5)x
次数・・・xの2乗 → x^2、2xの2乗 → 2x^2

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方向性(正攻法)

食塩水の重さについての式と、食塩水に含まれる食塩の重さについての式を作り、連立方程式を解く。

解法(正攻法)

文章問題では、まずはじめに何を文字で表すのかを書いておきます。
たいていは求めるものを文字で表します。

この問題では・・・

「3%の食塩水の重さをxグラム、8%の食塩水の重さをyグラムとする。」

このように書くのが普通でしょう。
ここで「重さ」と単位は忘れずに書きます。
これをちゃんと書かないと途中でどの文字が何を表していて、何を求めるのか考えているうちにわからなくなってしまい、混乱することが多いですよ。

求めるものを文字で表したら、問題の条件に合わせて、食塩水の重さについての式と、食塩水に含まれる食塩の重さの式を作ります。
文字が二つなので、解くためには式も二つ必要です。

食塩水の重さについての式は・・・

「3%の食塩水の重さと8%の食塩水の重さを足すと、600グラムになる。」と考えて作ります。

「3%の食塩水の重さはxグラム」「8%の食塩水の重さはyグラム」と先ほど決めたので、そのまま利用します。すると・・・

「x+y=600」という式ができますね。これを{1}とします。

食塩水に含まれる食塩の重さについての式は・・・

「3%の食塩水xグラムに含まれる食塩の重さと、8%の食塩水yグラムに含まれる食塩の重さを足すと、6%の食塩水600グラムに含まれる食塩の重さになる。」と考えて作ります。

こっちはちょっとややこしいですね。少し解説しましょう。

「3%の食塩水xグラムに含まれる食塩の重さ」をどうすれば表せるかというと・・・

「3%の食塩水」は、その食塩水の重さのうちの3%が食塩の重さです。
よって、この問題ではxグラムの3%が食塩です。
3%は3/100なので、(3/100)x が「3%の食塩水xグラムに含まれる食塩の重さ」になります。

8%の食塩水、6%の食塩水についてもそれぞれこのようにすれば表せるはずです。

(8/100)y,(6/100)×600ですね。

これらがそれぞれの食塩水に含まれる食塩の重さなので、

「(3/100)x+(8/100)y=(6/100)×600」という式ができました!これを{2}とします。

式が2つできたら連立させて解けば答えが出ます。
それではがんばって解いてみましょう!

まず、{2}の式がちょっと複雑なので、変形して簡単にしてみましょう。

(3/100)x+(8/100)y=(6/100)×600
3x+8y=6×600
3x+8y=3600・・・{3}

{3}−{1}×3より
5y=1800
y=360・・・{4}

{4}を{1}に代入すると
x+360=600
x=240

よって、x=240,y=360

あとは問題文を読み返して、聞かれていることに答えればOKですね!

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解答

3%の食塩水が240g,8%の食塩水が360g

正攻法以外の解き方もある!

先ほど、正攻法の解き方を説明しましたが、普通はやらない解き方もやってみちゃいます。ただし、この解き方では不正解になってしまう場合があるかも知れません(^^;

方向性(正攻法ではない方法)

例えば、3%の食塩水と8%の食塩水が同じだけあったら・・・?

解放(正攻法ではない方法)

もし、3%の食塩水が600グラム、8%の食塩水が0グラムあったら、これらを混ぜる(?)と、3%の食塩水が600グラムできます。
また、3%の食塩水が0グラム、8%の食塩水が600グラムあったとしたなら、これらを混ぜる(?)と、8%の食塩水が600グラムできます。
(「そりゃそうだ」という声が聞こえてきそう・・・(^^;)

さらに、3%の食塩水と8%の食塩水が300グラムずつあったとしたなら、これらを混ぜると、5.5%の食塩水が600グラムできますよね。
3%と8%のちょうど真ん中は5.5%ですね。

もう少しだけ8%の食塩水の量が多かったら、6%になります。
あと、0.5%分だけ足りません。

ここまでいいですか?

以上のことをよく考えてみると、混ぜる前の食塩水のそれぞれの重さと、混ぜた後の食塩水の濃度に、ある一定の関係があることがわかります。よね?

3%の食塩水が600グラムだったときは、混ぜた後の濃度は3%。
3%の食塩水が300グラムだったときは、混ぜた後の濃度は5.5%。
3%の食塩水が0グラムだったときは、混ぜた後の濃度は8%ですね。

つまり、3%の食塩水が300グラム減ると、混ぜた後の濃度は2.5%増えるのです。
300グラムで2.5%変わるから・・・
濃度を0.5%増やすためには・・・
3%の食塩水を、60グラム減らせばいいのです。

どうですか?
正攻法の解法がわからない場合でも、自分にとってわかりやすい例を考えて、そこから正解に近づいていけるはずです。
解き方が全く見当もつかなくても、まずはチャレンジはしてみましょう!

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