中学2年生向け数学の勉強法

直接的に問題の解き方を教えるだけでなく、家庭学習のやり方についてアドバイスするのも、家庭教師や塾の重要な仕事の一つです。 充分かつ適切な自宅学習ができれば、学力が目に見えて向上するのは確実です。皆さんもここに書いてある方法を実行して、実力アップを体験してみませんか?

最近の生徒さんでも、こんな成果が出ています。
・数学はほぼ毎回1ケタ得点→半年ほどの期間、このページの勉強法を実行したりしなかったりでも、実力テストで40点前後。
・数学は(英語も)ほぼ学年最下位→数ヶ月で数学は(英語も)平均点以上に!
・数学が苦手で志望校合格にあと20点ほど足りない→1ヶ月で第一志望合格ライン突破&見事合格!
・数学が一番苦手。数学の勉強はいつも後回し→半年ほどで数学が一番得意に!「数学はもう自分でできるので、他の科目を教えてください」と言われました(笑)

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計算が大切!

まず全員に共通して言えることは、計算が重要だということです。

文章問題やグラフ、図形などの考え方がわかったとしても、計算ができなければ結局解けません。

計算ができていないのに、応用問題に取りかかると、

 「計算も不安、考え方も微妙」
→「何がわからないかすらわからない」
→「数学は難しい。嫌い」
→「嫌いだからやらない。余計にわからない」


このような絵に描いたような悪循環に陥ってしまいがちです。これは避けたいですね。

ほとんどの学校で、数学では1学期に計算を習います。 これはその学年の内容を習得するために必要な計算方法を、まず最初に習得してほしいからだと思われます。

計算をしっかり習得するためには、次のようなことを心がけると良いです。

・文字はなるべくていねいに、大きめに書く
・与えられた式をまずそのまま書く
・1行にやることは1つだけにして、手間を惜しまず式を書く
・式は横に延ばさず、イコールの位置をそろえて下に続ける
・考えるスピードが、文字を書くスピードを上回るまで練習する

最初はめんどうに感じることばかりですが、慣れればきっと大丈夫!

まずは式をしっかり書くよう心がけて

例を挙げながら、具体的にどうすれば良いのかご説明します。
次のような問題があるとします。

「次の計算をしなさい。(1)3(3x−2y)+2(−5x+4y)」

これを計算するときに、いきなりノートに次のように書く人がいます。

9x−10x+−6y+8y

だいたい良いですが、ちょっとヘンなところもありますよね(笑)
間違いと言わざるを得ないのが、「+−」と計算の記号を続けて書いている部分ですね。本当は

9x−10x+(−6y)+8y または 9x−10x−6y+8y

と書かなければいけません。

書き直しても、一見して何が行われているか把握できない人もいると思います。 それは、把握できない人が悪いのではなく、式の書き方が悪いのです。

問題の式を書いていない上に、一度に複数のことをやってしまっているので、与式と計算した式のつながりがわかりにくくなってしまっています。

本当は次のように書くべきです。

(1) 3(3x−2y)+2(−5x+4y)
 =9x−6y−10x+8y
 =9x−10x−6y+8y
 =−x+2y

まず最初にそのまま式を書き、次にかっこを外し、3行目で順番を入れ替えて、最後に同類項を加減する。

これなら誰にとっても、何をしているか一目瞭然だと思います。

中学の数学は、一つ一つの事柄は難しいものはひとつもない。と言っても過言ではないと思います。 難しい問題は、簡単な事柄が複合しているだけです。 簡単な事柄に分解して、一つ一つ処理していけば、たいしたことはありません。

しかし、式をしっかり書く練習をしていない人は「確実にわかることを式で表す」のに慣れていないので、「分解する」「一つ一つ処理する」それぞれの作業に手間取り、混乱して、時間ばかりかかって結局解けない。という結果になりがちです。

「わかりきったことでも、しっかり手順通りに記述しながら解く」ことを続けていると、そんなときに「この部分はまずこうなって・・・」と、自分なりに対処できるようになります。

式を書くとミスが減るだけでなく、スピードアップ!

着実に整然と式を書いて進めていくと、その行で何をしているか一目でわかります。前後の式の関連性がよくわかるので、符号の間違いなどのミスをしてしまった場合に気づきやすくなります

一つ一つのやることが単純になるので、そもそもミスの回数自体が減ります

さらに、何をするべきか悩む時間も減るので、解くスピードも結局速くなります

ミスが減る上にスピードアップもするなら、ちゃんと式を書く方が良いに決まっていますね!
今日から早速しっかり式を書いて計算練習しましょう!

「完全にマスター」するまで練習しよう!

計算問題は少し練習すれば、1行目を書き始めてから最後の解答を書くまでの間、ほとんど手が止まらずできるようになります。

もう少し練習すると、書いている間に「次に何をするか、やったらどうなるか」まで頭の中で準備できてしまうようになります。次の行を書き始めるまで、頭の中が少し「暇」になってしまうくらいの状態です。
これが「考えるスピードが、書くスピードを上回っている」状態です。

この状態になったら、そのタイプの計算は完全にマスターできたと言えます。
逆に言えば、この状態になっていないなら、まだ計算練習が不十分です。

「完全にマスター」するまで計算練習をすれば、考え方を習ったことがない初見の応用問題でも、計算法則通りにやるだけで何とか自力で対処できるようになります。最近流行の「新傾向」の問題も、いろいろな具体例を試してみて、自分で考え方を発見することができる場合もあるはずです。

下手に応用問題の練習ばかりするより、「完全にマスター」を目指して、充分な計算練習をした方が、結局は実力アップにつながりますよ!

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